2026年4月に「生成AI初級編講座」を受講いただいた、株式会社ニシオ代表取締役の西尾真吾さんにインタビューさせていただきました!

株式会社ニシオは、兵庫県朝来市にて店舗や住宅の内装工事、電動工具や建築資材の販売などをおこなっています。今回は、会社を牽引する代表の西尾さんをはじめ、工事や販売の現場を率いるリーダー、総務、事務の計5名が講座を受講しました。

西尾さんは、世の中のAIやDXの波を感じつつも、社内の平均年齢が40代半ばということもあり、デジタルに強い人材が不足している状況に危機感を抱いていました。現場での業務の個別管理やそれによる不透明さを、AIというツールを使ってどのように変革していったのか。受講に至った経緯や受講後の具体的な変化、今後の展望についてお伺いしました。

受講されたコース:生成AI初級編講座

アナログ管理による不透明な業務プロセス。AI活用による改善を決意

今回の受講を決意した背景には、新聞やニュースを見れば連日AIやDXの話題が取り上げられる中、「このままでは時代の変化についていけない」という危機感がありました。この課題意識を共有したのは、工事部・販売部それぞれのリーダー、総務、事務の計4名です。ニシオでは近年、特に工事部門に力を入れていましたが、現場を支える管理業務は長年アナログで属人化された状態が続いていました。

具体例をひとつ挙げると、各担当者が見積もりなどの書類をExcelで作成しているものの、社内で統一されたルールがなくデータの一元管理ができていませんでした。そのため、誰がどの作業をどれだけ抱えているのか、それにどれだけの時間を費やしているのかが分からない状態でした。

そんな中、家庭内で娘たちが当たり前にAIを使って勉強している姿を見て、仕事でも活用していくべきだと思いました。地元で開催されたダブルノット代表の高林氏のセミナーに参加し、生成AIの活用について話を聞くことで、本格的にAI活用を推進していこうと思いました。

実業務を想定したワークショップで掴んだ腹落ち感

生成AI初級講座のワークで、ニシオの社員がカードを指しながら話し合う様子

写真は、講座の最終日に行った対面のワークショップの様子です。この日は、パソコンに向かう前に、紙の付箋で自分たちの業務を書き出すところから始めました。1枚に1つの作業を書き、上からやる順番に並べ、「誰がやるか」で列を分けていくと、1つの業務がいくつの作業でできていて、どこで誰に渡っているのかが目に見える流れ(フロー)になります。

生成AIにうまく仕事を任せられるかどうかは、プロンプトの書き方より先に、業務を作業に分解してフローにできているかで決まります。流れが見えれば、どの作業をAIに頼み、どこを人が確認・判断するかを選べます。ワークショップでは、付箋で作った流れをAIに音声で説明して表に整え、AIに任せる作業を選んで指示書(プロンプト)にし、実際にAIに作業させるところまで進めました。

受講前、私と総務を除き、プライベートでもAIをほとんど触ったことがない初心者ばかりでした。当初は「本当に自社の業務で使えるのか」という半信半疑の気持ちもあったと思いますが、講師の高林氏が示した「役割・指示・前提条件」を明確にするプロンプトの基本構造やマークダウン記法を学ぶことで、徐々にAIとの対話方法を習得していきました。

特に大きな転機となったのは、実務データを用いた実践ワークでした。講座では、実際にニシオが扱っている建築図面や、現場の見積書・商品カタログを使ってワークを行いました。

具体的には、実際の平面図をAIに読み込ませて天井の下地やボード張り工事の平米数、周り縁の必要数量をエクセル形式で自動抽出したり、フェンス工事の見積書をもとに専門用語を使わず施主へわかりやすく説明するための提案文を作成し、音声機能を使ってロールプレイングとフィードバックまで行うなど、実務に即した具体的な活用法を体験しました。

実際の図面や見積書を使ってAIを動かしたことで、現場リーダーたちも「こんなことまでできるんだ」と腹落ちしたと思います。手作業で時間がかかっていた積算や説明資料の作成が、AIを使うことで素早く形になる体験を通じ、現場での実用性を確信するきっかけとなりました。

受講後も定期的なアウトプットを継続。幅広い業務でAIを導入

受講後、現場では具体的な実務フローの変化が起きています。今回の学習を一時的な体験で終わらせないため、ニシオでは受講メンバーを集めた「週1回・30分間のアウトプット共有会」を実施しています。2人1組で各自がAIを使って効率化した業務やプロンプトを発表し合うことで、スキル維持と実業務への定着を図っています。

既に様々な領域でAIの活用やそれによる成果は出始めています。販売部のECサイトにおける顧客対応では、問い合わせ文面の作成にAIを導入。一次受けの後にAIへ返信ドラフトを作成させ、最終チェックを人が行うことで、対応の約8割をAI化し、工数削減とスピード向上を実現しました。さらに、取り扱い製品の競合価格や市場手数料のリサーチ、売上データに基づく売れ筋傾向の分析といったマーケティング業務もAIで自動化しています。

また、工事・提案の現場においても成果が出ています。既存物件の間取りや施主の好み、予算条件をAIに読み込ませてリフォームプランやデザイン案を作成したところ、新築マンションのリフォーム案件にてAIの提案をベースにしたプランで見事成約に至り、貴重な成功事例となりました。

さらに、提出書類が煩雑な補助金申請でもAIを活用して申請文面のドラフトを作成・提出した結果、実際に50万円の補助金採択を獲得するなど、幅広い実務領域で具体的なイノベーションが生まれています。

それ以外にも、総務・事務メンバーを中心に、AIへ連続的に指示を出して自動作業を行わせる高度な活用(Codexの活用)まで進んでおり、AIが作業をしている間にさらに別の業務を進めるという並行作業も実現しています。

現在は、受講メンバーが作成したプロンプトや手順をマニュアル化し、受講していない他の社員へ展開する準備を進めています。今後は受講メンバーが中心となって、全社への波及を目指しています。既に「AIを使わない理由はない」という考えが当たり前になりつつあるので、今後もAI活用によって組織全体の業務再設計やサービス品質の向上に挑み続けていきたいです。

ダブルノットの“生成AI初級編講座”について

伴走支援の目的は、仕組みを整えることではなく、その仕組みが“自走する状態”をつくることです。

課題を整理し、方向性を示すところから支援は始まります。
最も大切なのは、現場が自ら動き出すこと。私たちは「答え」を与えるのではなく、動くためのきっかけをつくります。
ときには立ち止まりそうなチームの背中を押し、「やるぞ」と一歩を踏み出す瞬間を生み出します。
答えは会議室ではなく、顧客の中にあります。動くことでしか結果は変わらない。
だからこそ、挑戦した人を称え、失敗を恐れず試し続ける文化を育てることを大切にしています。

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