〜訪問看護・介護の煩雑な事務作業をAIでリエンジニアリング。管理者3名が「総論のDX」から「各論の実務活用」へステップアップした記録〜

2025年10月に「生成AI初級編講座」を受講いただいた、株式会社アンズケア代表の秋山一平さんにインタビューさせていただきました!

株式会社アンズケアは通所介護(デイサービス)、モビリティ(介護タクシー等)、訪問看護などのサービスを展開しています。今回は、部門を牽引する30代前後の管理者3名が講座を受講しました。

秋山氏は、約3〜4年前にダブルノット代表の高林と出会い、以前からDXリスキリングに取り組んできましたが、今回はより現場の実務に即したAI活用を模索。介護・医療業界特有のアナログな文化や煩雑な書類作成業務を、AIという「右腕」を使ってどのように変革しようとしているのか。受講後の具体的な変化と、今後の展望についてお伺いしました。

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受講された講座:生成AI初級編講座

介護・医療業界の「デジタル化の遅れ」を打破。他業界との格差に挑む管理者たちの決意

今回の受講を決意した背景には、介護・医療業界全体が抱える「デジタル活用の遅れ」に対する強い危機感があります。単なる同業他社との比較ではなく、他業界で急速に進むAI活用と自業界とのギャップに、「他業種がどんどんAIで効率化していく中、介護・医療の世界だけが置いていかれたらまずい」と焦りを感じていました。

この高い課題意識を共有したのは、通所介護(デイサービス)、モビリティ(介護タクシー等)、訪問看護の各部門を率いる3名の管理者たちです。彼らは日々、現場に出るプレイングマネージャーとして忙しく立ち回りながらも、アナログな業務フローに限界を感じていました。

以前にもDX関連の講座を受講していましたが、それは「DXの一環としてのAI活用」という、いわば総論的な学びでした。しかし、現場が求めていたのは「今日のこの事務作業をどう短縮するか」という具体的な仕組みです。今回の講座は、より実務に直結する「各論」としてのステップアップとして、管理者たちの高いモチベーションを持ってスタートしました。

「AIに伝わらない指示は人間にも伝わらない」言語化能力の欠如を痛感。組織のOSをプロンプトで書き換える

講座を通じて得られた最大の収穫は、生成AIの操作方法だけではなく、「言葉の使い方(言語化能力)」が業務の質を左右するという共通認識を持てたことでした。

生成AIから精度の高い回答を引き出すためには、具体的で丁寧な指示(プロンプト)が不可欠です。講師の高林氏が示したプロンプトのお手本は、前提条件の設定から言葉遣いに至るまで、参加者にとって「ここまで細かく、丁寧に伝えなければならないのか」という大きな衝撃を与えました。

この気づきは、図らずも日常の社内コミュニケーションの課題を浮き彫りにしました。実際に受講したメンバーは「今までのスタッフへの指示や申し送りがいかに曖昧だったか」と痛感したようです。 AIに正しく伝わらない指示は、当然人間にも正しく伝わっていません。例えば、相談内容が抽象的で状況を把握するまでに何度も問い直す必要があった、などこれまでのコミュニケーションを振り返り、AIを鏡にすることで、自分たちの指示の解像度の低さに気づいたと話していました。

AI活用を学ぶプロセスが、実は「マネジメントにおける指示の出し方」を洗練させるトレーニングにもなり、言語化能力の視点でも大きな成果を得られました。

二重の手間をゼロにする。ケアマネとの「電話メモ」から「AI自動書類生成」へ、訪問看護のバックオフィス大改造

受講後、現場では具体的な実務フローの変化が起きています。これまで「Google検索の延長」や「軽い壁打ち」程度だったAIの使い方は、今や「正しい答えを導き出すためのプロセスツール」へと進化しました。

特に注力しているのが、バックオフィス業務の効率化です。介護ケアの本質は「人との関わり」であり、現場の対応時間は削れません。しかし、その周辺にある事務作業には膨大な非効率が隠れていました。

他の医療・介護事業所との電話連携は非常に重要なコミュニケーションです。しかし、その後に発生する「手書きメモ → システム入力」という二重の記録プロセスは、構造的な負担になっていました。この「連携の質は高めつつ、記録の構造は変える」という視点で、AIを活用した業務再設計に挑戦しようとしています。

【現在進めているAI活用の具体例】

  • 音声からの自動ドキュメント生成: 電話内容をマイクで拾い、AIが直接文書化。各様式に合わせた文字数や形式で自動生成する仕組みを構想中。
  • 議事録作成の完全自動化: 打ち合わせの文字起こしから要約までをAIで完結させ、手書きの記録を全廃。
  • 行政・医療機関向け書類のドラフト作成: 他事業所への報告や行政への申請など、定型化しやすい領域をAIで半自動生成。

AIは、私たちのような「人と向き合う時間そのものが本質である仕事」のサポート役として、とても頼りになる存在です。

「裏側(バックオフィス)」の効率化は「表側(現場で利用者さんと向き合うこと)」に割ける時間を増やすことに繋がり、それがサービス品質の向上につながると考えています。「介護の常識を変えたい」をスローガンに、引き続き挑戦を続けていきます。

ダブルノットの“生成AI初級編講座”について

ダブルノットの生成AI初級編講座は、生成AIをこれから使いたい方、または使い始めたけれど活かしきれていない方のための入門講座です。
生成AIへの指示の出し方、情報整理、文章生成などの基本操作を実践しながら学び、「生成AIに任せること」と「人が判断すべきこと」を見極める力を身につけます。
講座の後半では、営業・広報・事務などの職種別演習を通して、“生成AIを使う”から“生成AIと働く”へと発想を転換します。
詳細は、下記よりご覧ください!

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