改めて考えてみた。ダブルノットの成長と宇宙ビジネスとの関係性。大切だったことは無理やりにでも絡めてみること。

改めて考えてみた。ダブルノットの成長と宇宙ビジネスとの関係性。大切だったことは無理やりにでも絡めてみること。

私 髙林努と宇宙ビジネスとの出会いは、今から8年前の2016年頃、同じ鳥取出身であり、同い年のスペースシフトのCEO金本さんとの出会いです。事業内容は異なるものの、お互いに鳥取を思う気持ちは変わらず、意見が合わないときは激しい議論を交わし、「だからお前の会社は大きくならないんだよ!」と喧嘩したこともあります(苦笑)。

そして、出会いから3年後の2019年1月にダブルノット主催のイベントに登壇してもらったことが、宇宙ビジネスを身近に感じたきっかけです。気象衛星やGPS、衛星電話など、日々の生活で宇宙からの情報を使っていることを改めて考えると、衛星データの利活用ビジネスはすでに生活に浸透している。そして、自分の交流範囲を見直すと、意外と多くの人が宇宙ビジネスに関わっていることを知り、その面白さにのめり込みました。もしもっと早く宇宙ビジネスを知っていたら、自分の人生が変わっていたかもしれないと思います。

2019年1月ダブルノット主催セミナー 金本さんの登壇風景。地元テレビ局も取材もきてた!

宇宙ビジネスを高林流でざっくり捉えて関わってみた結果

宇宙ビジネスは、ざっくり分けると3つに分けることができます。

  1. 地球と宇宙を繋ぐビジネス:ロケット関連、データ転送関連
  2. 宇宙上でのビジネス:衛星関連、宇宙空間での生活関連
  3. 宇宙からのデータを地球上で活かすビジネス:衛星データ利活用関連

もちろん、周辺ビジネスはもっと多いですよ。詳細は専門家にお任せします。色々とググってみてください。その中で私が関心を持っているのは3番の「衛星データ利活用関連ビジネス」で、スペースシフトが取り組んでいる領域もこれに当たります。

2021年からは、スペースシフト社の事業支援する形(受託業務)として、鳥取県八頭町の田中農場の圃場にて農産品の生育予測における衛星データの利用実証実験に関わらせて頂きました。テーマは「白ネギの生育を宇宙から観測できるか?予測できるか?」でした。

100m×100m程度のネギ畑で育つネギたちの生育状況を衛星データで観測できるか?という実験でした。この時感じたことは、2021年当時でも相当数の衛星が飛んでおり、1時間単位で地球上のどこでも観測が可能な状況にあったこと。さらに、SAR衛星という衛星の存在が地球上のビジネスを激変させると感じたことです。SAR衛星のすごい点は、普通のカメラでは雲で覆われていると地表面の観測ができないけれど、SARセンサーならば雲があっても雨が降っても問題ないということです。これを使うと、さまざまなビジネスシーンで即座に使えるアイデアがたくさん出てきました。

今回の白ネギ観測で知ったことは、たった30-40cm程度の生育状況が宇宙から観測可能であり、これがネギ畑だという補足もできることです。もちろん、いつでもどこでも監視されているという不安を感じる人もいるかもしれませんが、いつでもどこでも見てもらえる安心感に気持ちを切り替えた瞬間、日常生活が劇的に変わるだろうと思います。人間の感情は案外あいまいで、約10年前に登場したスマートフォンを使うと危険だとか、あんな大きな電話は使えないとか「感情論」だけが先行していましたが、今では生活に欠かせないものになっています。

この実験の詳細や結果を詳しく知りたい方は、2021年9月のライブ配信動画をぜひご覧ください。マジで面白いです!(冒頭は機材トラブルのため、15分ごろからご覧ください)。

https://fb.watch/qK7RwJd7WG/ 15分ごろから本題が始まります。

宇宙ビジネスと自社ビジネスを強引に繋げてみよう

この衛星データの活用の最前線に触れた経験がきっかけで、鳥取県庁から日本各地から宇宙ビジネスに関わる方々をお招きし、鳥取の事業者向けにワクワクする話をしてもらうよう頼まれたのが2022年の春ごろです。依頼を受けるにあたり、改めてダブルノットのビジネス(ネット店長を育成する教育ビジネス)と宇宙ビジネスの関わりを考えてみました。

ネット店長の大切な役割は「様々なITサービスを既存ビジネスと融合・利活用できる人」です。そう考えると、衛星データを直接活用することはないですが、衛星データを活用したITサービスを利用することは1-2年以内に起きるはずです。もしかすると、すでに使っているかもしれません。例えば、「産業の需要予測」が得意なのが衛星データ利活用ビジネスです。私たちが販売している商品の需要予測も、衛星データを利用する日は近いはず。だから、会社の為にもなるし、鳥取県のためにもなるから引き受けることにしました。

引き受けたのが「とっとり宇宙産業創出連続講座『絡め!宇宙』」のファシリテーションです。2年間継続させて頂いており、これまで6回、宇宙ビジネスの最前線の方々をお招きし、熱い話を聞きながら、さらにここだけの話を含めて非常に詳細な話を聞き出してきました。

そして、大切なのは自社ビジネスと宇宙ビジネスを繋げることです。この繋げること、絡むことを後押しすることがたぶん私が唯一得意と自負できることです。言い換えると「場の空気を考えずに突っ込ませること」です。後でいいかな、聞くと恥ずかしいかなという感情をこの時だけ忘れていただき、積極的に質問や議論をしてもらう場づくりです。せっかく都市部からお越しになったこのチャンスを大切にしてもらうことです。

この連続講座に参加された後、実際に、大阪や東京でのビジネス機会を創出された方もいると聞いています。最初は誰でも宇宙ビジネスを知らない素人です。ただし、宇宙ビジネス関係者から見れば、宇宙ビジネス業界にはない大切な知見を持っている有識者です。知らない業界者同士が繋がると、きっと何か新しいことが生み出されていくはずです。ビジネスに大きさや新旧はあまり関係ありません。ぜひ地方で交流していってほしいと思います。

宣伝:3月19日(火)開催!とっとり宇宙産業創出連続講座

とっとり宇宙産業創出連続講座。絡め!うちゅ!ワークショップ。3月19日開催。申し込みはこちらから

さて、昨年から数えると7回目の「とっとり宇宙産業創出連続講座」が来週3月19日(火)に鳥取市のSAND BOXで開催します。今回のゲストはワープスペース社のCEO 東さんと、東京UFJ銀行から同社に出向中の田口さん(鳥取市出身)をゲストに迎えます。お二人から、衛星データビジネスの最新動向と、さまざまな分野で活躍されているワープスペース社の取り組みを学びます。

実は、ワープスペースさんとも2017年ごろから何かできないか検討したことがありました。結局、双方が異なるビジネス領域に進んだため、仕事で関わることはなくなりましたが、またどこかで何か繋がると思ってワクワクしています。

特にWeb制作者やプログラマーなどのIT事業者の皆さんはもちろん、製造業やサービス業、金融や行政まで、非IT企業の皆さんもぜひ参加してほしいです。皆さんは宇宙産業の素人ですが、宇宙産業の方から見れば「お!」と思う専門家に見えるかもしれませんからね。新しい時代のビジネスチャンスを一緒に見出していきましょう!ご参加をお待ちしております。

イベントの申し込みはこちらのWebサイトからお願いします!

この記事を書いた人

高林 努

東京でネットビジネスに約20年従事。
IMJグループ、電通レイザーフィッシュ、クラウドワークスでは、大手企業のインターネットビジネスの事業立案から実践構築までを担当。
2017年「地元鳥取を元気にしたい!」という思いから、(株)ダブルノットを設立。
地域を越えて日本全国に商品をアピールする“地産外商”を掲げ、ネット店長の育成に尽力。鳥取県八頭町、兵庫県豊岡市でデジタル人材育成を実施中!