動画生成AI「Sora2」で生成したAI動画でもう一人の自分を見た。胸が熱くなったあと、仕事の未来を考えた

こんにちは!株式会社ダブルノットの高林です。
最近、GoogleとOpenAIという世界を代表するAI企業が、まるでライバル同士のように互いを刺激し合っています。

どちらかが新しいバージョンを出せば、もう一方がすぐ追随。
そのたびに機能がどんどん進化して、テキスト生成や要約にとどまらず、プログラムやアプリ開発、画像や動画、図表まで、「私たちが仕事で使う領域」へ一気に入り込んできました。

Sora2で生まれた“もう一人の自分”

その象徴的な存在が、先日登場した動画生成AI「Sora2」です。
自分の表情や声をAIに学習させると、「カメオ」と呼ばれる“自分そっくりの分身”を作ることができます。
(ちなみに「カメオ出演」とは、有名俳優が映画などに本人役で短く登場すること。ここではAIが生み出す自分そっくりの代役という意味です)

私自身も試しに「高林カメオ」を使って動画をいくつか作成してみました。
ぜひこちらからご覧ください。(※音声が出ますのでご注意ください)

作り終わった本人の正直な感想は、胸熱でした。
子どもの頃に憧れていた職業で働く自分を、実際に見ることができたからです。
あの頃の「もしも自分がこうなれたら」という夢を、AIが一瞬だけ現実にしてくれた——そんな不思議な体験でした。

経営者の“もう一人の自分”が発信する時代へ

感動した後に感じたのは、これは仕事の面でもかなり使えるはず、という確信でした。
例えば、忙しい経営者の方が、自社の商品説明や会社紹介をしたいと思っても、撮影機材を準備したりスタジオを借りたり、スタッフを集めるには手間と時間がかかり大変ですよね。

しかし、AIを使えば「もう一人の自分」が代わりに話してくれる。
まるで自分がもう一人いるような感覚で、動画発信ができる。
そんな時代が、もう目の前まで来ています。

「AIで作る」ことへのリスクと、これからの基本姿勢

もちろん、AI動画にはリスクや不安もあります。
実際、著作権や肖像権の問題も出ており、「オプトアウト制(使われたくない人が申請して除外してもらう仕組み)」など、これまでの「無断使用は禁止」という常識を覆す議論も、世界的に始まっています。

さらに、YouTubeなどネット上でAI動画を公開する際には、「AIで生成した」と明記するラベルが必要になる流れです。
独自性のないコンテンツは検索にヒットせず、最悪の場合は削除やアカウント停止の対象になる。そんな話も聞きます。

では、私たちはどうすればいいのか。その答えはシンプルです。
「お客様にとって、それは本当に必要な情報なのか?」——それだけです。

悩んでいる人、不安を感じている人、知りたい・買いたいと考えている人。
そうした方々がAIや検索を通じて情報に触れるとき、「これは役に立つ」と思ってもらえる情報を誠実に発信し続ける。それが一番の答えです。

その情報がAIでつくられたものであっても、人が手でつくったものであっても、あるいは両方の協働によるものであっても、構わない。
Googleの検索チームのGary Illyes(ゲイリー・イリーズ(イリェーシュ))氏は、こう語っています。

“As long as the content quality is high, which typically nowadays requires that the human reviews the generated content, it is fine for model training.”
コンテンツの品質が高ければ問題ない。そして今の時代では、その品質を保つために人間がAIの生成内容を確認・編集することが必要になる。

引用元:Google Confirms That AI-Generated Content Should Be Human Reviewed

つまり「AIが作ったか、人が作ったか」は本質ではありません。
どれだけ人にとって役に立つか、それだけが問われているということです。
AIがどれだけ進化しても、「人がレビューして、人の責任で発信する」という姿勢があれば、それは立派な「人の仕事」であるということです。

AIは敵ではなく、信頼できる相棒に

結局のところ、ツールがどれだけ進化しても、私たちがやるべきことは変わりません。
お客様が知りたいことを丁寧に伝える。悩みや疑問を少しでも解消する。
そして、「これは信頼できる」と思ってもらえる情報を届ける。
この姿勢さえあれば、AIは敵ではなく、頼れる相棒になります。

私自身も、AIを楽しむときは思いきり楽しみ、仕事で使うときは常に「お客様のために」という軸を忘れずに、日々これからも情報を届けるビジネスパーソンでありたいと思います。

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この記事を書いた人

高林 努

東京でネットビジネスに約20年従事。
IMJグループ、電通レイザーフィッシュ、クラウドワークスでは、大手企業のインターネットビジネスの事業立案から実践構築までを担当。
2017年「地元鳥取を元気にしたい!」という思いから、(株)ダブルノットを設立。
地域を越えて日本全国に商品をアピールする“地産外商”を掲げ、ネット店長の育成に尽力。鳥取県八頭町、兵庫県豊岡市でデジタル人材育成を実施中!