ダブルノット代表の髙林です。
伴走支援先でもある、兵庫県北部から京都府北部エリアを中心にパソコン教室「わかるとできる」を運営されている株式会社アルファスタジオ様の全社研修「アルファスタジオ大学」にて、基調講演の講師を行いました。
今回は、その講演の様子と、私が普段どのような視点で企業のみなさんの伴走支援をしているのかを、少し整理しておきたいと思います。
企業の成長を支える「たたき台」と「嫌われ役」の覚悟

アルファスタジオ様とは、現在、新規事業の立ち上げや組織改革の伴走支援をさせていただいており、1年という節目が見えてきました。
私がコンサルタントとして一番大事にしている大原則は、シンプルに「目の前のクライアント企業が成長するために、全力を尽くすこと」です。
きれいごとではなく、まずは企業として勝ち残り、利益を上げ、成長し続ける体力をつけること。ここがすべての土台です。
そのために私が現場で徹底しているのが、「精緻な計画づくりよりも、まずはバッターボックスに立つ」というスタイルです。
白紙の前で考え込む支援よりも、まずは私が「たたき台」としての計画を出す。その後、皆さんからもそのたたき台をもとにアイデアがいくつか出てくる。
そして選択肢を並べ、「次の一手」を具体的に決めていく。
一手が決まったら、まずはバッターボックスに立つこと。
つまり、実行してみることです。
多少粗さがあっても全然OK。やってみないとわからない。バットを振り続けないと、ボールに当たるチャンスもありません。
そして、少しずつタイミングが合ってくるのです。
人は時に、過去の成功体験がブレーキになり、一歩目が踏み出せないこともあります。
そんな時、私はあえて「嫌われ役」を買って出ます。
社内の人間関係やしがらみの中では言いにくいことでも、「それは違います」「もっとこうすべきです」と、客観的な視点からズバッと指摘し、背中を押す。
この「遠慮のないフィードバック」と「たたき台による実行支援」こそが、私が提供できる価値だと考えています。
2040年、地方企業が勝ち残るための「地域生存戦略」

今回の講演において、松岡社長からは「幹部だけでなく、スタッフ全員に向けて、未来の当社について語ってほしい」というご依頼をいただきました。
そこで私は『2040年の未来を考える 〜田舎ってやばいのか? いけてるのか?〜』と題し、全社員に向けて「地域貢献こそが、企業の生存戦略である」というメッセージをお伝えしました。
人口減少が加速する地方において、地域が衰退すれば市場そのものが消えます。
だからこそ、「地域にとって自社がなくてはならない存在になること」が、企業が生き残るための必須条件となります。
講演では、数字による事実を踏まえつつ、以下の3つのポイントで地方企業の勝算を紐解きました。
1. 「人口減少」という確定した未来を直視する
公的なデータを用いて、労働人口が激減し、高齢化率がピークに達する2040年の地域像を可視化しました。
数字だけを見れば、「地方ビジネスはやばい」という厳しい現実があります。
2. ゲームチェンジャーとしての「AIとテクノロジー」
しかし、ここで思考停止はもったいない。
AI技術の進化により、これまでの「人数の多さ=強さ」という図式が崩れつつあります。
人口が少なくても、テクノロジーを使いこなせる人材がいれば、都市部と対等、あるいはそれ以上に戦える。
そんな「逆転のチャンス」が到来しつつあると、私は見ています。
3. パソコン教室が担う「地域OS」としての役割
この未来において、アルファスタジオ様はどう戦うべきか。
それは、従来の「パソコン操作を教える場所」から脱却し、「地域の人々がAIと共存し、新しい学びを得るための拠点(ハブ)」へと進化することではないか、とお話ししました。
2040年の地方では、全世代にとっての「学びの場」は、水道や電気と同じくらいのインフラになるはずです。
その学び場で、地域住民が生成AIを使いこなせるよう支援すること。
それこそが地域の存続に直結し、巡り巡って自社の最大の成長エンジンになるはずです。
「イケてる地域」を一緒につくる
講演後、皆様と一緒に食事を取らせていただきました。
その場で交わされた会話や表情からは、「自分たちの仕事は、地域の未来をつくっているんだ」という前向きな熱量が感じられました。
私が支援しているのは、あくまで企業の成長です。
ただ、アルファスタジオ様のような企業が成長することで、結果としてその地域全体に「新しい学び」が広がり、人が育ち、地域全体が元気になっていく。
企業の成長と地域の未来は、やはり切っても切り離せません。
アルファスタジオの皆様、貴重な機会をいただきありがとうございました。
これからも「地域に必要とされる強い企業」であり続けるために、たたき台と選択肢、そして最初の一歩目を踏み出す後押しをセットで出し続けながら、熱く伴走していきます。
ダブルノットは、これまで北海道から鹿児島まで全国の中小企業を支援してきました。
私たちは「答え」を与えるのではなく、動くためのきっかけをつくります。製造・食品・観光・福祉・ECなど、業種を問わず「現場で動く支援」に取り組んでいます。
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