塾長高林が考えるこれからの中小企業のDX人材育成とは?

ネット店長育成塾 塾長の高林です。2024年6月より、DX学校ヤマタ鳥取校の講師としての活動も始めました。新たなチャレンジに驚かれる方もいらっしゃると思いますので、改めてご説明させていただきます。

私が注力したいこと

私が注力しているのは、ITツールを上手に活用できる「学び」と「実践が試せる場」の提供です。今後もネット店長育成塾の塾長を続けながら、DX学校の講師も務めます。どちらもITツールを上手に活用できる人材を育成する場です。

ネット店長育成塾は、販促領域の人材を育成し、売り上げを上げるための仕組みの構築や運営ができる人を育てる場です。売り上げを上げるための「攻めるDX人材」の育成とも言えます。一方、DX学校は企業のインフラ領域をカバーし、生産性を向上させるためのDX人材を育成します。自社のファイル管理、コミュニケーションツールの活用、社員同士が資産を共有する文化を育てるための支援ができる人材を育てます。こちらは社内の生産性を向上させるための「守るDX人材」の育成です。

さらに、経営者から従業員やアルバイトまでがすべての人が生成系AI(ChatGPT等)を活用することで、会社全体の生産性を大幅に向上させることを目指しています。これは「支えるDX人材」の育成とも言えます。

これからも様々なテーマで、学びの場と、学んだことをすぐに実践が試せる場、両方を作りDX人材の育成の場を作っていきます。

実践が試せる場づくりが必要な理由

これまで7年間、様々な企業と向き合う中で、良い結果を得られたこともあれば、申し訳ないこともありました。その経験から「実践」の場が絶対に必要だと感じました。学ぶだけでなく、学んだことを実際に試せる場所です。

自動車教習所に例えると、仮免許を取るための学びの場だけでなく、路上教習をする場が必要です。専門家が助手席に乗り、ぎこちない運転をする受講生と伴走し、必要な時にはブレーキを踏む。そして、なぜブレーキを踏んだのかを教え、受講生もその理由を理解するまで議論できる場が必要です。

特にネット店長育成塾の受講生の多くは、ネットショップを初めて間もない方が多いです。そのため学んだことを自社で試そうと思っても、まだ売り上げも少なく試すためのデータも揃っていない。昨年対比とか言われてもそもそもよくわからない…という状況になります。そのため、当社が運営しているネットショップのデータを見てもらいつつ「あーこんな風になるのか!」と試してもらう場所が必要になります。

DX学校も「まずはやってみる実践の場」を充実させることが非常に大切です。当社のgoogle Workplaceの活用方法なども事例としてお見せしていきます。もちろん、まだ足りない部分もありますが、どんどん「実践が試せる場づくり」のバージョンアップをしていきます。

そもそもDXとは?

DX(デジタルトランスフォーメーション)とは、デジタル技術を使って仕事のやり方や会社の仕組みを変え、より便利にしたり、新しい価値を生み出すことです。インターネットを使って商品を売るようになったり、工場での作業が自動化されて効率が良くなったりすることです。つまり、「デジタル技術を活用して、今までのやり方を見直し、もっと良い方法に変える」ということです。

その変革を目指すため、つまりDXを推進するためには、デジタルを作る人だけでなく、デジタルを活用する人が大切です。現実社会で考えると、お店を作ることも大切ですが、作ったお店を活用することができて初めて売り上げが増えていきます。つまり

1. 目的は売り上げを上げること

2. 手法はお店を作ること

3. 目的を達成するためには、お店を運営し続けること

この3つ目が特に重要です。デジタルの世界でも、お店を作る人も大切ですが、お店を運営する人、つまりネットショップを活用する人がいないとそもそもDXは成立しません。DXとは作る人と、作った場所を活用する人、両方がいて初めて成立するものです。

中小企業にとって大切なDXの一歩とは「作らないDX」

例えば、ネットショップを運営するためにはお店を作る制作会社さんと役割分担することが大切

昨今、IT企業が「専門知識がなくてもネットショップが作れるITサービス」を多く提供しています。そして生成系AIの登場で、さらに詳しいIT技術を知らなくても、ネットショップの運営が容易になってきています。そのような世の中になると、ITサービスを上手に活用できる人がより重要になります。

ITサービスを上手に活用できる人は、

  • 自分が作りたいお店の将来を描いてITサービス側に指示できる、つまり企画書を作成することができる。
  • さらには、どんなお店が必要か?設計図を描ける、つまり詳細設計を作成することができる。
  • そして、ITツールを駆使してネットショップの構築できる、つまりWebサイト制作ができる。

htmlやプログラミンを詳しく知らなくても、自分一人で構築をすべてできるようになっていきます。そして、ネットショップを全面リニューアルするなど難しいプロジェクトでは、自分だけでは効率が悪いことも判断でき、Web制作会社などの専門家とタッグを組み、専門家たちとコミュニケーションを取りつつ、専門家に依頼する領域と自分で実行する領域を切り分けて進めていくことが出来ます。

実際のリアルな店舗を建てる時をイメージしてみるとよくわかります。あなたが大工さんが行う基本的なことは知っていても、自分一人で店舗を建てるのは効率が悪いですよね。大工さんとコミュニケーションを取りつつ、大工さんに依頼することは依頼しつつ、自分で出来るところはDIYで行う。このようなイメージです。

大切なことは、IT企業のプロたちと協力する時間と、自分で運用やメンテナンスする時間のメリハリをつけていくことです。


パソコンがわからない、ホームページに関心がないではDX人材にはなれません。経営者も従業員もみんながそれぞれの立場でDX人材になることが必要です。少子高齢化が進み、雇用が難しい時代において、ITサービスを上手に使って企業経営をしていくことが重要です。

人の力とITの力を融合させて、次の未来に向けて一緒に頑張っていきましょう。

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この記事を書いた人

高林 努

東京でネットビジネスに約20年従事。
IMJグループ、電通レイザーフィッシュ、クラウドワークスでは、大手企業のインターネットビジネスの事業立案から実践構築までを担当。
2017年「地元鳥取を元気にしたい!」という思いから、(株)ダブルノットを設立。
地域を越えて日本全国に商品をアピールする“地産外商”を掲げ、ネット店長の育成に尽力。鳥取県八頭町、兵庫県豊岡市でデジタル人材育成を実施中!